【2023.01】「心不全になると現れやすい症状」について

新年あけましておめでとうございます。 2023年も孫の手倶楽部をよろしくお願いいたします。

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下してうまく、働かなくなり、全身の臓器に必要な血液が送れなくなった状態をさします。心不全の状態になったら、入退院を繰り返さないよう症状を比較的良い状態で保つために日常生活でのケアが非常に大切になります。孫の手だより2023年01月号は循環器が専門で心不全のケアに詳しい「井上医院」の「星 敬美先生」にお話を伺いました。

こんな症状があったら要注意。ひょっとしたら心不全かも!?

自分でも気づかないうちに心不全の状態になっていることは少なくありません。もし以下のような症状があれば、早めに循環器内科(循環器の専門医のいる医療機関)で相談してください。

➀息切れがする

以前は普通にのぼれていた階段で、途中で休まないと上れない、数段のぼるだけで息切れがする。

➁足がむくむ

足(すねからふくらはぎ、足の甲、アキレス腱のあたりまで)がむくんでいる。

➂体がだるい(倦怠感)

活発に動いているわけでもないのにとても疲れやすく、体がだるい状態が続いている。

➃急激に体重が増える

数日から1週間で、体重が2キロ以上増加した。

➄食欲が低下している

腹部の膨満感があったり、食欲がなかったりと、食べたい気持ちにならない。

⓺夜、横になると息苦しい、咳が出る

夜。布団に入って横になると、咳が出て眠れない、息苦しいなどの症状がある。(風邪をひいていたり、ぜんそくなどの持病がある場合を除く)

褥瘡

心不全は、心臓の病気や高血圧などで長期間、心臓に負担がかかることで発症する

心不全は、心臓に栄養を送る血管が詰まってしまう心筋梗塞や狭心症、心臓の筋肉自体にトラブルがある心筋症、心臓の弁になんらかの不具合がある心臓弁膜症などが原因となって起きます。これらの病気は、心臓のポンプ機能にトラブルを生じるために心不全の原因となるのです。また、高血圧も心不全の原因となりやすく、血圧が高い状態が続くことで心臓への負担が長期間に渡ってかかるため、心臓の機能が落ちてしまい、心不全の状態になるリスクが高まるとされています。

心不全の状態にならないために、心臓の病気を悪化させない、高血圧を放置しないように気をつけることが大切です。

心臓のポンプ機能がうまく働かないと、初期には、息切れや倦怠感、むくみなどの症状が現れる

血液の中には、身体のそれぞれの器官に必要な酸素や栄養が含まれており、心臓のポンプがうまく働かなくなると、血液に含まれた酸素や栄養がうまく行きわたらず、全身の臓器に影響が出ます。そのため特に初期では、息切れや倦怠感、むくみなどの症状が現れます。冒頭でチェックした症状に当てはまっていたら、放置せずに、かかりつけの医療機関や循環器内科で相談してください。

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