【2024.04】「未経験から始める在宅ケア」について

今月のテーマは「未経験から始める在宅ケア」について

家族や自分自身に在宅ケアが必要になった時、どうしたらよいのかわからないことがほとんどではないでしょうか。
本当に在宅で看られるのか、療養は可能なのかなど、心配は尽きないかもしれません。
在宅ケアをはじめるにあたって考えておいた方がよいこと、そして準備などについて、在宅医療・ケアに詳しい、桜新町アーバンクリニック院長「遠矢 純一郎 先生」にお話を伺いました。

在宅ケアで大切なこと

2000年に介護保険がスタートしました。それ以前は、在宅介護の担い手は、妻や嫁など主に女性たちでした。介護保険が目指すのは、介護の社会科です。つまり、適切に公的サービスなどを利用することで”家族だけで抱え込まなくてもいいですよ”という時代に変わったのです。

在宅介護を考えるときには、様々なサービスを入れることを前提に考えることが重要です。

介護保険で受けられるサービスの一例

➀ショートステイ
➁訪問介護
➂通所介護
➃訪問入浴
➄福祉用具レンタル
➅地域密着型サービス

※弊社の訪問マッサージは、介護保険ではなく健康保険を利用したサービスとなっております。

初めての在宅ケアで直面しがちなお悩み・課題 Q&A

Q.在宅ケアで、いちばん大切なことはなんでしょうか?

A.専門家をたくさん味方につけることです。家族だけで抱え込まないでください。

ご家族にとって、 先の見えなさがいちばん心身の負担になるかもしれません。 専門家である医師や訪問 看護師、ケアマネージャー、介護ヘルパーなどは、それぞれの分野の専門家ですから、さまざまな角度からのアドバイスや支援策を差し伸べることができます。この先、どのような変化が起きる可能性があるの かをお伝えしつつ、それが起きた場合、どのように対処していけばよいのかも一緒に考えていきます。

認知症や神経難病などの場合、少しずつ病態が変化していきますが、たとえば食事についてなら、現在は何でも食べられているけど、近い将来は柔らかいものしか食べられなくなる可能性があることなどデイサービスをお伝えし、その段階にきたらとれる支援解決策をお伝えすることが可能です。専門家をたくさん味方につけて、上手に頼りながら在宅ケアを行っていきましょう。

Q.ADLが低下しているので介護ヘルパーさんだけ依頼しようかと思うのですが、 訪問診療もお願いしたほうがいいのでしょうか?

A.何在宅医療を入れていないと、急な発熱や転倒などのたび救急車を呼ぶ必要があるかもしれません。

普段診察を受けるときには、 家族が付き添って通院しているという方は多いかもしれません。しかし在宅で過ごしていると、急な発熱や転倒などトラブルが起きることは少なくありません。在宅診療が入っていないと、その都度、救急車を呼んで病院に運ぶ必要が出てきます。
24時間・365日対応の在宅診療を行っている医療機関を確保(契約)しておけば、何かあったときにはすぐに対応してもらえます。もちろん通院に付き添う負担もなくなります。医療面だけでなく、生活全般のことも相談に乗ってくれる訪問診療医がいれば、なおさら心強いかもしれません。ぜひ、在宅医療をしてくれる医療機関も探してください。

Q.母が認知症になりました。ずっと“家で過ごしたい”と言っていたので希望に沿ってあげたいのですが、長期戦になりそうで心配です。本当に自宅で看ることはできるのでしょうか。

A.ご家族が疲れたときには、しばらく施設に預けることもできます。自宅へ戻ってくることも可能ですから柔軟に考えていきましょう。

ひとくちに認知症といっても、症状の進行度によってまったく異なります。いちばん大変なのは、認知機能が低下しているのに身体がお元気で動き回るときかもしれません。また、家族だからこそ甘えが出て短気で怒りっぽくなることもあります。ご家族が疲弊してしまったときには、施設などにしばらくお願いする手もあります。施設は、お願いしたらもう帰宅できないわけではなく、また自宅へ戻られる方もたくさんいらっしゃいます。疲れてしまったときは、施設へ預けられることも考えてみてはいかがでしょうか。

Q.介護をする側がまいってしまわないよう、家族はどのような点に気をつけたほうがいいでしょうか?

A.任せられるところは思い切って人に任せ、ご自身がすべきことに集中することが大切かもしれません。

たとえば仕事も大変で、親御さんのおむつをかえること自体に抵抗があるなら、ヘルパーさんに1日5~6回入ってもらって、おむつ交換をすべて任せてしまうことも可能です。
もちろん、デイサービスやショートステイなどを積極的に活用することも大切です。デイサービスやショートステイで預かってもらっている間に、好きな趣味を楽しんだり、旅行に出かけたりするのもいいですね。抱え込みすぎるとイライラしてしまいますから、適度に息抜きをすることが必要です。プロは、さまざまなケースを経験しているので知恵や知見があります。ぜひ一人で悩まず、どんどん専門家に相談をしてください。

Q.家の近くに“看多機 (かんたき)” という施設があるのですが、どのようなものなのでしょうか

A.医療的な処置が必要な方の急な泊まり(預かり)にも対応。訪問看護介護に通い、泊まり、という機能を併せ持った施設です

看多機 (かんたき)とは、看護小規模多機能型居宅介護の略で「訪問看護」「訪問介護」に加え「通い」や「泊まり」を組み合わせることで、医療依存度の高い方にも柔軟に対応できる複合型サービスのことです。
たとえば、家で認知症や神経難病などの家族の介護をしていて、急に泊まりがけで遠方の親戚のもとへいかなければならなくなったとき、看多機なら、人工呼吸器などの医療処置が必要な患者さんも“泊まり”として預かってもらうことができます。また「通い」として、入浴サービスやお食事などのサービスを受けることも可能です。
まだまだ看多機の設置数は少ないのですが、 もしお近くにあれば、 非常に心強い存在かもしれません。